これまで紛争地のコソボ、エリトリア、マケドニア、アフガニスタン、スリランカ、ネパール、自然災害による被災地のトルコ、台湾、インド、インドネシア、パキスタン等を訪ねました。
被災地では、身内や友人を、あるいは財産を失って喪失感を抱えた個々が、それぞれの困難に直面しています。逞しい人であっても弱さが露呈するなど、被災者の心のなかには大きな揺れ幅があるでしょう。また、その土地柄により異なる複雑化した状況が見え隠れしています。
このような極限の地で、私が特に心を打たれたのが女性たちの振る舞いでした。周囲をホッと落ち着かせる笑顔や、家族を包み込む逞しさなど。水を確保することさえ大変なときに、女性たちが被災地を支える大いなる力になっていることに気付かされました。そのひとコマは、日常生活ではありふれているがゆえに日頃忘れがちな場面でした。活力を見出しながら再生しようとする女性たちの地道な姿を見つめながら、私自身が生きる上でも次第に強い共感を覚えていきました。
紛争と災害の被災地とでは、政治や利害の関係は根本的に異なりますが、被災者らが最低限度の生活を営もうとする姿においては、国境や人種など関係のない、人間の共通部分ではないかと考えています。
本シリーズでは、弱者というマイノリティー、そして困難な立場を乗り越えて立ち直ろうとする女性の姿から、人間の「生きる力」に焦点を当てています。
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